『クレド採用』にとって『クレド』は核となるものです。そのため、経営者の方と幹部の方々には、しっかりご自身のご経験を棚卸していただき、心の奥にあるお仕事に対する想いを『クレド』に全て注入していただきました。このように想いが詰まったクレドを活かすためには、『クレド』を社内に発表する『クレド発表会』がとても重要です。なぜならば、既存の従業員の方々に『クレド』を好意的に受け止めてもらい、新たに採用する方の受け入れ態勢を整える必要があるからです。『クレド採用』成功のためには、この発表会の成功が重要なカギです。
この重要な『クレド発表会』をサポート中の株式会社B.S.様が実施されました。『クレド発表会』のポイントと、B.S.様でのすばらしい発表会についてシェアすることで、皆さんのヒントになれば嬉しいです。
『クレド』発表会の流れは『起承転結』
『クレド』発表会の流れは起承転結です。
「なんだ。オーソドックスだな。」「何のひねりもないな。」とガッカリされた方もいらっしゃるかと思います。
そうなのです。オーソドックスですが、この起承転結が重要なのです。理由は、この『クレド』発表会で、既存従業員の方々の心のポジティブエリアに『クレド』の居場所を作る必要があるからです。
そのためには、『クレド』が既存従業員の心を、ポジティブな方向へ動かすものになる必要があります。そしてこれに連動して、『クレド』の発表の場である『クレド発表会』も、既存従業員の心をポジティブに動かすものである必要があるという訳です。
そこで、お好きな小説やドラマ、映画を思い出していただけますか?
皆さんよくご存じの通り、これらの多くは起承転結で作られています。そうです。小説やドラマ、映画は、ストーリーに沿って、私たちが登場人物になりきって、その人の人生や出来事を一緒に旅します。すると、登場人物の心の動きに合わせて私たちの感情も動き、時には登場人物が涙を流すであろう場面で、自然に涙があふれてきます。この作用を『クレド発表会』に活用しようということです。
それでは、実際に『クレド発表会』の様子を覗いてみましょう!
『クレド発表会』の『起』
まずは『起』です。ここでは、既存従業員の方々の心のコップを上に向けることが目的です。そして、なぜ『クレド』を作ったのか、その目的を共有します。既に、『経営理念』をお持ちの企業の場合は、『経営理念』と『クレド』それぞれの役割と、つながりも発表した方が良いでしょう。
B.S.様では、『クレド』完成後、熟成期間をおいて修正を重ね、『クレド』が固まりました。そして、次は発表会という日程になりました。しかし、予定以上に修正を重ねることになったため、発表会の日程が繁忙期の直前になってしまい、後ろにずらすことが難しく、お忙しい中でのご準備となりました。
O社長と幹部のOさんは、何度もお打合せなさり、途中メールやお電話でのお問い合わせもいただきました。期限のあるお仕事が大半を占めるB.S.様ですので、本当にご準備のお時間を捻出するのは大変だったと思います。しかし、『クレド』を活かすためには、この『クレド発表会』が重要であるということをしっかりご理解下さっていたので、「発表会を成功させたい」という想いで、メールやお電話でお問い合わせくださり本当に嬉しかったです。ありがとうございました。
そして、いよいよ発表会当日です。発表会開始の1時間前に、O社長とミーティングでした。内容は、発表会のリハーサル代わりに、発表会用のパワーポイントを使って発表内容の要点確認をしました。繁忙期直前にもかかわらず、とても素晴らしい仕上がりです!さすがO社長とOさん!すばらしいチームワークに感動です。
さあ、『クレド発表会』が始まります。いつもクールな印象のO社長が、少し緊張なさっているようにお見受けしました。最初の担当は幹部のOさんです。既にお持ちの『経営理念』と『クレド』の役割についてわかりやすく解説され、続いて「なぜ『クレド』を作ったのか」その理由を、すばらしいスライドで分かりやすく、そして明るく前向きなエネルギーにあふれたプレゼンテーションをしてくださいました。
そして、『起』の目的である既存従業員の方々の心のコップを上に向けるため、『クレド』の役割を分かりやすくイラストで示してくださったのです。アニメのワンピースを模して、スライド上にはO社長が船長の船B.S.号が映し出され、船のセンターにはO社長が乗っていらっしゃいます。そして、その船に従業員の方がお一人ずつ順番に乗船されるのです!
そのスライドの効果は抜群!
皆さんから歓声が上がり、明るく前向きな空気になりました!
さすが、研修講師としてもご活躍のOさん。『起』の目的をしっかり達成していらっしゃいました!!
『クレド発表会』の『承』
『承』では、既存従業員が『クレド』を社長と同じ温度で感じられるようになることが目的です。
分かりにくい表現ですよね。解説すると、『クレド』は社長と幹部の方々に、これまでのお仕事でのご体験を基に価値観を出し合って、作っていただきました。それは「てにをは」にまでこだわってです。
このプロセスを通じて、社長と幹部の方々の価値観を『クレド』にグッと凝縮していただきました。ですので、社長と幹部の方々は、『クレド』の文章を読んだり、見たり、聞いたりすると自然に心が温まります。この状態と同じ状態に既存従業員の方々の心の温度を上げるのが『承』の目的です。
言葉でいうと簡単ですが、実際は既存従業員の方々は『クレド』作りには参加されていませんので、かなり難しい目的です。これを成功させるにはコツが必要です。そのコツは、頭ではなく、心にアプローチすることです。
さあ、次はO社長の担当です。『クレド』をみんなで味わうことから始まりました。
そして『クレド』に凝縮された想いを具体例を用いて解説するのですが、なんとO社長は皆さんに椅子を移動して円座になるように指示されました。すると、皆さんがスッと椅子を動かされました。その行動のスムースさと、息が合っていることに私は驚きました!すごい!!
そして、O社長の具体例の後で、従業員の方に感想を求めるとスムーズに前向きな感想が出てきます。更に、O社長がこの具体例の様なその方の体験談を求めると、またまたスムーズに発言が続くではありませんか!
すばらしい!
これを繰り返され『クレド』を単なる言葉ではなく、社長の心の温度と従業員の心の温度を合わせ、共通のものへと移行して行かれました。私は、感動で危うく涙腺が緩むところでした。
発表会後、O社長に感想を求められ、この感動をお伝えしたところ照れ隠しもあるとは思いますが「毎週、個人面談とグループミーティングをしてるからね。みんな意見をちゃんと言うことに慣れている」とおっしゃっいました。それを伺い、私はこの継続力にも感動しました!
『クレド発表会』の『転』
『転』は、従業員と共に『クレド』を味わいます。頭で聞くのではなく、心の耳で聴いて心の温度を感じることを『味わう』と表現しています。そうです。『転』では、『承』で感じたことやご自身のエピソードを『クレド』の文章と合わせて行くのです。
また、この『転』の目的をしっかり理解してくださっているO社長の工夫とナビゲーションがすばらしく、皆さんに目を閉じてもらい、一人ずつが『クレド』を音読し、心で味わえるようにしてくださいました。「心に響く」という表現があるように、耳から入る言葉は心に届きやすいです。O社長の工夫のすばらしさに、またまた感動です!
『クレド発表会』の『結』
『結』は、クレド実現へ向かって「やるぞー!」と言う気持ちを全員で共有することが目的です。これまで心で感じた温度であるエネルギーを、全員で言葉に表します。明るい未来に向かうワクワクした気持ちで『クレド発表会』を終えます。
もちろん、B.S.様では皆さんが声を合わせ、笑顔がすばらしい『結』でした。
更に、皆さんに大好評の船のスライドと共に写真撮影をなさいました。私は、カメラマンで活躍です。
本当に素晴らしい『クレド発表会』でした。
O社長、幹部のOさんありがとうございました!
次のステップに進みましょう!
まとめ
ここまで、『クレド発表会』のポイントを実例をもとに見てきました。最後に、ポイントをまとめます。
『クレド採用』の核である『クレド』を既存従業員の方々に発表する『クレド発表会』の成功は、『クレド採用』の成功のカギです。『クレド発表会』の流れは起承転結で、心にアプローチすることが重要です。『起』では、従業員の心のコップを上に向けます。『承』では、社長と同じ温度で『クレド』を感じられるようにします。『転』では、『承』で感じた事と『クレド』を融合させます。『結』では、『クレド』実現に向け全員でやる気を共有します。
さあ、この起承転結ができると『クレド』を見ると、ワクワクとしたやる気が湧いてくるようになります。
社長と幹部の想いが従業員の皆さんに共有され、従業員の皆さんがキラキラした目で『クレド』を実現し、お客様が満ち足りた笑顔をなさっている会社やお店。そこには、お客様のご利用がひっきりなしで会社が豊かになる。最高のサイクルが回わる様子が目に浮かびます。ワクワクが止まりませんね。
本日も最後までお読みくださり、ありがとうございました。



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